平成２７年度事業報告書　（平成２７年４月１日から平成２８年３月３１日まで）

事　　業	主要な事業の内容
出版事業	内外綿花事情および需給状況の調査、資料整備、見通し等を行い、綿花需給に関する統計／資料を定期的に作成し、会員／紡績等の関係先に配付。尚　発行資料は次のとおり。（継続事業（１）の対象事業）Ａ　綿花週報(４９回) Ｂ　２０１５年版英文綿花統計年鑑Ｃ　輸入・消費・在庫統計/通関(数量／金額)統計/船社別綿花輸入統計
裁定事業	①　綿花の品質裁定および抗告（主として継続事業（２）の対象事業）Ａ　裁　　定当期における裁定申請は前期に引き続き皆無。これは綿花輸入量の減少傾向が続く中で、荷捌綿花取扱いの減少、その一方でdoor to door 取扱いの増加、ＨＶＩ(高速格付機器)検品の普及などによるものであるが、併せてわが国の綿花輸入で比較的品質安定の米綿、オーストラリア綿、ギリシャ綿およびブラジル綿の４綿種の寡占化が進んでいることも影響している。当期の決算額(格付けのみ)は16,200円と、前期比16,291円減。Ｂ　抗　　告近年の裁定申請の皆無により、予算は計上見送り。 ②　綿花の格付および機械検査Ａ　格　　付国内綿花輸入業者および大和高田商工会議所から、綿花の品質について格付申請２件（66俵）を受理、スタンダード・ボックスと照合のうえ、格付証明書を発行した。検査見本はメキシコ綿および米綿。Ｂ　機械検査マイクロネア検査は、国内綿花輸入業者より８件（111俵）の申請と、予想外に好調。そのすべてを測定、検査報告書を発行した。結局、決算額は20,000円と、前期比15,000円増。検査見本はブラジル綿、メキシコ綿、オーストラリア綿および米綿。 ③　綿花品質に関する調査研究Ａ　米国農務省作製の米綿スタンダード・ボックスを入手、品質につき検討した。Ｂ　海外関係機関と綿花の値鞘に関する資料交換を行った。Ｃ　わが国における綿花の値鞘表を毎月２回発行、これを国内綿花業者および海外関係機関に配布した。
その他事業	＜海　外＞ ①　ＩＣＡ(国際綿花協会) 2015年10月30～31の２日間、「気候変動から世界経済まで」を主テーマに、サンフランシスコ(米国)において年次総会および晩餐会を開催。出席者総数は綿花業界から600名に上った。業界代表として、島崎　隆司(豊島㈱・顧問)、山岡　健一（日本綿花協会・代表理事)の両氏が出席した。期間中に開催されたＩＣＡ役員会には島崎　隆司氏が出席し、わが国の最新の綿花事情について説明を行った。なお、2016年のＩＣＡ総会は、同協会の175周年を記念して、英国のリバプール(2016年10月20～21日)で開催される予定。一方、ＩＣＡ総会に合わせてＣＩＣＣＡ(綿花協会間国際協力委員会)会議を開催。 25ヵ国の協会代表および関係国際機関２団体で、出席者総数は27名に上った。主要議題は（a）2014年10月のリバプール総会での報告書の承認、（b）収支決算／予算案、（c）ＣＩＣＣＡデフォルト・リストの年次レビュー、(d)ＣＩＣＣＡ会員への新たな申請を評価するチェック・リスト、および(e)次期ＣＩＣＣＡ会長および副会長選出。 (ｂ）については、2014/15年度決算と2015/16年度の予算案を承認。年会費は前年どおり１協会当たり￡500。なお、同期間に開催された代表者会議には、山岡　健一氏が出席し、わが国の最新の綿花事情について説明を行うとともに、契約不履行の多発が依然として、綿業界で大きな問題となっている。本件は生産、消費国双方の共存共栄に関わる問題であり、関係者一同が「契約の神聖」を順守する必要がある旨指摘した。 ②　ＩＣＡＣ(国際綿花諮問委員会) 2015年12月７日から11日までの５日間、｢農場から織物まで：綿花の多面性｣をメインテーマに、ムンバイ（インド）において第74回年次総会を開催。 28ヵ国の政府代表、関係国際機関９団体およびその他オブザーバー13ヵ国で、出席者総数は398名に上った。業界代表として、山岡　陽春（豊島㈱・十二部一課チーフ）、山本　公彦（フジボウテキスタイル㈱・営業部長）の両氏が出席した。主要議題は（１）より持続可能な農業に向けて、（２）綿花需要：小売り業者の見解、（３）綿花の遺産保存、（４）綿花の副産物とその用途、（５）綿花生産からの殺虫剤の除去、および（６）綿花遺伝資源の国際交流。なお、開会式を了した後、Ｊ．セッテ事務局長が綿業界に影響を及ぼしている生産への直接支援、および貿易政策に関するＩＣＡＣ年次報告に基づき、（イ）生産への直接支援、国境保護、作物保険補助金、および最低支持価格メカニズムを含め、2014／15年度の綿花セクターへの補助金は、前年度の65億米ドルから増加し、史上最高の104億ドルに達した、（ロ）2011／12年度から2014／15年度までの政府介入の結果として蓄積された多大な在庫が、依然として予測可能な将来における綿花市場のファンダメンタルズを決定する上で主要な要因となる、等に関して報告を行った。 ③　海外行事参加　　Ａ. China Cotton Association(中国綿花協会）主催による「中国国際綿花会議」を2015年６月11～12の２日間、浙江省寧波で開催。ＣＣＡの招待により、山岡　健一氏(日本綿花協会・代表理事)が出席。Ｂ. ＣＣＩ(国際綿花評議会)主催による「Cotton USA Orientation Tour-2015」を2015年９月28～10月２の５日間、米国各地で開催。工藤　俊氏(東洋棉花㈱)が紡績協会代表、薮内　邦義氏(旭紡績㈱)とともに参加し、北カロライナ州からカリフォルニア州までアメリカ大陸を横断し、綿畑、米農務省格付事務所、ジン工場等を見学した。なお、同ツァーは、ＣＣＩが米国綿花業界と米綿主要輸入国業界との良好な関係を維持・構築することを目的として、２年毎に開催しているもの。 ④　海外関係者との諸会合 ○　６月15日、ＩＣＡ(国際綿花協会、本部：英国)のJordan Lea 会長とKai Huhges　専務理事が極東歴訪の一環として来阪したのを機に、大阪綿業会館・本館会議室で、綿花協会／紡績協会合同の会議を開催。 Kai Huhges専務理事より、(1)ＩＣＡの機能、(2)会員数、(3)裁定(Arbitration)案件、(4)安全な取引(Safe Trading)に関する情報の提供、(5)仲裁(Mediation)等についてスライドを交えたプレゼンテーションが行われた。 ○　８月７日、台湾紡績協会の　Steven Chen 会長とSimon Wang秘書長が来協。当方から、わが国の綿業界事情等に関して説明を行うとともに、日台綿花業界の繁栄のために相互の協力を一層強化する必要があることを確認した。 ○　11月19日、米スーピマ協会のJesse W. Curlee代表とMarc Lewkowitz副代表が来阪したのを機に、ヒルトン大阪ホテルにおいて、スーピマ協会主催によるレセプションを開催。紡績会社、商社、エージエントのほぼ全てが参加し、来日中の元ＩＣＡＣ専務理事、Dr Terry Townsendも特別参加し、レセプションを通して交流を深めた。＜国　内＞ ⑤　各種委員会委員(期末現在) ○　受渡委員会　　　加茂清司（東棉）　　山本純介（伊藤忠）　　林　照幸（山忠）　　　平林和成（豊島） ○　チャージ委員会　　　加茂清司（東棉）　　山本純介（伊藤忠）　　平林和成（豊島） ○　コントラクト委員会　　　山本純介（伊藤忠）　高倉一美（東棉）　　　渡辺雄次（豊島） ○　長繊維綿委員会　　　山本純介（伊藤忠）　高倉一美（東棉）　　　武田忠治（山忠) 　　　渡辺雄次（豊島） ○　非紡績用原綿部会　　　杉野友紀（杉野)　　　山下　吉春（山一) ⑥　委員会関係活動Ａ　受渡委員会 a　台風、豪雨及び地震による綿花被害の有無の件 2015年７月17日：神戸港の幹事倉庫より、台風11号接近による倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2015年９月10日：名古屋港の幹事倉庫より、台風18号愛知県上陸による倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 b　港湾防災対策の件港湾・倉庫における綿花取扱上の安全対策、特に台風シーズン中の災害防止対策には万全の注意を払うよう日本綿花荷捌協議会に申し入れた。Ｂ　チャージ委員会　　輸入諸掛かりの件窓口商社が2015年11月1日以降入港船に適用する Sliding Charge について、日本紡績協会会員紡績と合意。関係商社に通知。Ｃ　その他委員会　　コントラクト／長繊維綿／非紡績原綿部会の各委員会は本年度開催なし。Ｄ　計量自治管理委員会 a　計量法に基づき、綿花ハカリ管理状況に関する「適正計量管理事業所報告書」を兵庫県の計量検査所（知事宛）に提出。 b　合わせて、兵庫県知事宛て、神戸港にある三井、三菱倉庫内での、「適正計量管理事業所」の事業廃止届を提出、受理された。 ⑦　倉庫／港湾関係Ａ　綿花倉庫の新規指定、解除はともになし。Ｂ　各港の綿花指定倉庫から荷捌綿花・ＣＹ通関綿花の輸入実績明細を収集し、わが国綿花輸入統計の基礎資料とした。 ⑧　その他Ａ　経済産業省繊維課、報道／調査機関、ＡＴＯ（米農務省・農産物貿易大阪事務所）など内外諸団体および個人からの「綿花事情、輸入状況など世界綿花情勢、わが国の綿花輸入動向と見通しに関する照会」に回答。Ｂ　ＩＣＡＣおよびCotlook Ltd.にわが国の月別綿花輸入動向を報告。Ｃ　当会「インターネット・ホームページ」に綿花輸入統計を掲載。Ｄ　ＣＡＴＧＯ(Egypt) 誌等への寄稿。

（９）　職員に関する事項
　　　事務局長１名、事務職２名、合計３名

（１０）　役員会等に関する事項

①　理事会:平成２７年５月２０日（水）開催、議事内容は次のとおり承認済み。
第１号議案　日本綿花協会・第７９回通常総会開催の件　
第７９回　通常総会開催を「５月２８日(木)午前１０時半、綿花会館・大会議室」とする。
第２号議案から第４号議案　第７９回通常総会に諮るべき書類の件
第５号議案　理事辞任に伴う後任内定の件　
　　　　　　　（辞任）福家雅彦、山口徹、大室良磨の各氏
　　　　　　　（新任）岡田光生、西川嘉一、久保田武一の各氏であります。　

②　理事会：平成２７年１１月２４日（火）開催、議事内容は次の通り。
A　平成２７年９月までの業務執行並びに業界団体参加報告及び今後の予定の件
B　損害保険ジャパン日本興亜（株）より綿花会館株式１００株、１００万円での購入報告・承認の件

③　第７９回通常総会:平成２７年５月２８日（木）開催、議事内容は次のとおり報告・承認済み。
第１号議案　平成２６年度事業報告書並びに計算書書類・財産目録承認の件
第２号議案　平成２６年度公益目的支出計画実施事業報告書の件
第３号議案　理事辞任に伴う後任選任の件　

（１１）　許可、認可、承認等に関する事項

①　一般社団法人の法定手続
Ａ　登記事項
理事の辞任と、新任の就任に関し、平成２７年５月２８日の総会での理事選任を受け、
平成２７年６月１９日登記完了

②　内閣府へ公益目的支出計画実施報告書の電子申請による届け出

（１２）　株式を保有している場合の概要

①出資先：株式会社　綿花会館　②株数：１,４０９株　③保有割合：１０．２％
④所有目的：当会が自ら使用する事務所等を確保するために保有する株式
⑤役員等の関係：当会の代表理事が、出資先会社の代表取締役に、また理事の３名が非常勤取締役に就任

事業別	予算額	決算額	達成率
出版事業	2,300,000円	2,141,476円	93.1％
裁定事業	50,000円	36,200円	72.4％
その他事業	6,338,000円	7,761,111円	122.5％
法人会計事業	3,099,327円	3,181,127円	102.6％

区分	平成２４年度	平成２５年度	平成２６年度	平成２７年度
経常収益	12,377,864円	13,141,135円	13,122,500円	13,119,914円
当期経常増減額	△ 5,908,783円	△ 6,196,772円	△ 6,063,477円	△ 5,987,611円
正味財産期末残高	59,789,822円	53,593,050円	47,529,573円	41,541,962円

種　　類	前年度末	当年度末	増　　減
正　　会　　員	１１社	１１社	－
準　　会　　員	３社	３社	－
賛　助　会　員	８社	８社	－
賛助Ⅱ号会員	６社	６社	－
合　　計	２８社	２８社	－

役職名	氏　名	任　期	勤務形態	報酬（年）	他法人の役職状況等
会長兼理事	豊島　半七	平成28年5月31日	非常勤	無し	豊島　代表取締役社長
代表理事	山岡　健一	〃	常　勤	360万円	綿花会館　代表取締役
理　　事	武田　忠治	〃	非常勤	無し	山忠棉業　代表取締役社長
〃	島田　誠次郎	〃	〃	〃	山一　代表取締役会長
〃	岡田　光生	〃	〃	〃	東洋棉花　代表取締役社長
〃	角田　隆明	〃	〃	〃	スミテックス・インター執行役員
〃	西川　嘉一	〃	〃	〃	三菱商事　S.P.A.衣料部　　　素材開発チームリーダー
〃	小倉　弘二	〃	〃	〃	双日　繊維事業部長
〃	久保田　武一	〃	〃	〃	伊藤忠　繊維原料課長
顧　　問	髙橋　克紀	〃	〃	〃	豊田通商　顧問

役職名	氏　名	任　期	勤務形態	報酬（年）	他法人の役職状況等
監　　事	杉野　友紀	平成28年5月31日	非常勤	無し	杉野商店　代表取締役社長
〃	福枡　　浩	〃	〃	〃	日本綿業振興会　常務理事

平成２７年度正味財産増減計算書		財産目録（平成２８年３月３１日現在）
貸借対照表（平成２８年３月３１日現在）
平成２７年度決算報告ページ