平成３０年度事業報告書（平成３０年４月１日から平成３１年３月３１日まで）

事　　業	主要な事業の内容
出版事業	内外綿花事情および需給状況の調査、資料整備、見通し等を行い、綿花需給に関する統計／資料を定期的に作成し、会員／紡績等の関係先に配付。尚　発行資料は次のとおり。（継続事業（１）の対象事業） A　綿花週報(49回) B 　2018年版英文綿花統計年鑑 C　輸入・消費・在庫統計/通関(数量／金額)統計/船社別綿花輸入統計
裁定事業	①　綿花の品質裁定および抗告（主として継続事業（２）の対象事業） A　裁　　定当期における裁定申請は前期に引き続き皆無。これは綿花輸入量の減少傾向が続く中で、荷捌綿花取扱いの減少、その一方でdoor to door 取扱いの増加、ＨＶＩ(高速格付機器)検品の普及などによるものであるが、併せてわが国の綿花輸入で品質の安定度から米綿、オーストラリア綿、ギリシャ綿およびブラジル綿の４綿種の寡占化が進んでいることも影響している。当期の決算額(格付けのみ)は５，０００円と、前期比５，０００円減。 B　抗　　告近年の裁定申請の皆無により、予算は計上見送り。 ②　綿花の格付および機械検査 A　格　　付国内綿花輸入業者から、綿花の品質について格付申請１件（９俵）を受理、スタンダード・ボックスと照合のうえ、格付証明書を発行した。検査見本はアルゼンチン綿。 B　機械検査マイクロネア検査は、国内綿花輸入業者より１件（１０俵）の申請と、予想外に低調。そのすべてを測定、検査報告書を発行した。結局、決算額は２，５００円と、前期比４，７００円減。検査見本は米綿。 ③　綿花品質に関する調査研究 A　米国農務省作製の米綿スタンダード・ボックスを入手、品質につき検討した。 B　海外関係機関と綿花の値鞘に関する資料交換を行った。 C　わが国における綿花の値鞘表を毎月２回発行、これを国内綿花業者および海外関係機関に配布した。
その他事業	＜海　外＞ ①　ＩＣＡ(国際綿花協会) 2018年10月17～18の２日間、香港のGrand Hyattにおいて年次総会および晩餐会を開催。出席者総数は約40ヵ国から約600名に上った。今次総会は、初日にMr. Joe Nicosia(Louis Dreyfus Company, U.S.) が基調講演を行い、需要面に関して、(1)世界的な需要はここ数年、予想以上に伸びている、(2)中国での価格優位性が少なくなっており、需要が戻っている、(3)プラスティック問題に対する消費者の環境意識が高まっていることも綿花シェア(対全繊維)の下げ止まりの一因、などと指摘した。業界代表として、山岡健一氏（日本綿花協会・代表理事)が出席した。なお、次回総会は2019年10月11～12の２日間、英国リバプールで開催予定。一方、期間中に開催されたＣＩＣＣＡ(綿花協会間国際協力委員会)会議には、11ヵ国の協会代表および主要国際機関代表が出席した。主要議題は（a）2017年10月のシンガポール総会での報告書の承認、（b）収支決算／予算案、（c）ＣＩＣＣＡデフォルト・リストの年次レビュー、および(d)次期ＣＩＣＣＡ会長および副会長選出。 (ｂ）については、2017/18年度決算と2018/19年度の予算案を承認。年会費は前年どおり１協会当たり￡500。なお、同期間に開催された代表者会議には、山岡　健一氏が出席し、わが国の最新の綿花事情について説明を行うとともに、債務不履行の多くが未だ遵守されておらず、綿業界で依然として大きな問題となっている。本件は生産、消費国双方の共存共栄に関わる問題であり、関係者一同が「契約の神聖」を順守する必要がある旨指摘した。 ②　ＩＣＡＣ(国際綿花諮問委員会) 2018年12月２日から６日までの５日間、｢綿花のチャレンジ：スマートで持続可能な解決策｣をメインテーマに、アビジャン（コートジボワール）において第77回年次総会を開催。今次総会は2009年の南アフリカ(ケープタウン)に次ぐアフリカ地域での開催。 20ヵ国の政府代表、関係国際機関６団体およびその他オブザーバー15ヵ国で、出席者総数は385名に上った。業界代表として、林　照幸（山忠棉業(株））、山本　公彦(フジボウテキスタイル(株))の２氏が出席した。主要議題は（１）綿花に関する気候変動の影響に対処、（２）小規模農場のための機械化、ドローンおよびロボット工学、（３）機会と問題：オーガニック・コットンの課題と政策見通し、および（４）種子交換に関する政府間政策。なお、次回(第78回)総会は2019年12月２～６日、オーストラリアのブリスベーンで開催予定。 ③　海外行事参加　　 A. China Cotton Association(中国綿花協会）主催による「2018年中国国際綿花会議」を2018年６月７～８の２日間、ハルビン市で開催。なお、当協会から山岡代表理事が招待され、出席した。会議では、中国側登壇者の全員が先ごろ海南市で開かれた「アジアフォーラム」での習近平国家主席の演説を引用していた。米国との貿易交渉を意識してか、「自由貿易、市場解放、規制緩和、輸入拡大」などが目立った。一方、「中国国際綿花会議」に合わせて、ＣＩＣＣＡ(綿花協会間国際協力委員会)会議も行われ、山岡代表理事が各国綿花協会代表とともに参加した。 B. ＣＣＩ(国際綿花評議会) 主催による「コットン・サミット」が2018年11月12～15の４日間、アリゾナ州フェニックス郊外のスコットディールで開催され、出席者総数は約30ヵ国から400名以上に上った。わが国からは紡績４社、商社３社、在米日系商社２社、繊維機械メーカー1社、計17名が参加、当会からは山岡代表理事が出席した。今次サミットでは、初日に北米アディタス前社長のマーク・キング氏が基調講演を行ったほか、ＣＣＩ理事長のシュナイダー氏、ＮＣＣ会長のクラフト氏、米農務省のアーネスト氏、およびCotton Inc.社長のウォーシャム氏が、それぞれの立場から見解を表明した。なお、次回のサミットは2020年11月、カリフォルニア州サンディエゴ市近郊で開催予定。　　　　　　　　　　 ④　海外関係者との諸会合　　　　特になし＜国　内＞ ⑤　各種委員会委員(期末現在) ○　受渡委員会　　　畑中　格（東棉）　　山本純介（伊藤忠）　　林　照幸（山忠）　　　平林和成（豊島） ○　チャージ委員会　　　畑中　格（東棉）　　山本純介（伊藤忠）　　平林和成（豊島） ○　コントラクト委員会　　　山本純介（伊藤忠）　畑中　格（東棉）　　　渡辺雄次（豊島） ○　長繊維綿委員会　　　山本純介（伊藤忠）　畑中　格（東棉）　　　武田忠治（山忠) 　　　渡辺雄次（豊島） ○　非紡績用原綿部会　　　杉野友紀（杉野)　　　山下　吉春（山一) ⑥　委員会関係活動 A　受渡委員会 a　台風、豪雨及び地震による綿花被害の有無の件 2018年７月９日：神戸港の幹事倉庫より、平成30年７月豪雨による倉庫貨物、施設等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2018年７月30日：名古屋港の幹事倉庫より、台風12号接近による倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2018年８月24日：神戸／名古屋港の幹事倉庫より、台風20号接近による施設、倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2018年９月５日：神戸港の幹事倉庫より、台風21号上陸による貨物、施設等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2018年10月１日：神戸／名古屋港の幹事倉庫より、台風24号による貨物、施設、倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 2019年３月11日：名古屋港の幹事倉庫より、３月９日深夜発生した東海地方の地震による施設、倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。 b　港湾防災対策の件港湾・倉庫における綿花取扱上の安全対策、特に台風シーズン中の災害防止対策には万全の注意を払うよう日本綿花荷捌協議会に申し入れた。 B　チャージ委員会　　輸入諸掛かりの件窓口商社が2018年11月1日以降入港船に適用する Sliding Charge について、日本紡績協会会員紡績と合意。関係商社に通知。 C　その他委員会コントラクト／長繊維綿／非紡績原綿部会の各委員会は本年度開催なし。　　 ⑦　倉庫／港湾関係 A 　綿花倉庫の新規指定、解除はともになし。 B 　各港の綿花指定倉庫から荷捌綿花・ＣＹ通関綿花の輸入実績明細を収集し、わが国綿花輸入統計の基礎資料とした。 ⑧　その他 A 　経済産業省繊維課、報道／調査機関、ＡＴＯ（米農務省・農産物貿易大阪事務所）など内外諸団体および個人からの「綿花事情、輸入状況など世界綿花情勢、わが国の綿花輸入動向と見通しに関する照会」に回答。 B　ＩＣＡＣおよびCotlook Ltd.にわが国の月別綿花輸入動向を報告。 C　当会「インターネット・ホームページ」に綿花輸入統計を掲載。 D　ＣＡＴＧＯ(Egypt) 誌等への寄稿。 E 　2018年10月30日放送のＡＢＣ「世界の村で発見！こんなところに日本人」番組内アンゴラ綿花畑に関する写真借用依頼に協力したところ、提供写真が番組で紹介された。

（９）　職員に関する事項
　　　事務局長１名、事務職２名、合計３名

（１０）　役員会等に関する事項

①　理事会：平成３０年５月３１日（木）開催、議事内容は次の通り承認済み。
第１号議案　日本綿花協会・第８２回通常総会開催の件　
　　　　　　　　第８２回　通常総会開催を「６月１４日(木)午前１０時半、綿花会館・大会議室」とする。

第２号議案から第４号議案　第８２回通常総会に諮るべき書類の件

第５号議案　豊島会長任期満了に伴い、三浦芳樹（豊田通商）新会長選任の件

第６号議案　役員任期満了に伴う後任内定の件　
　　　　　　　　（理事候補者）豊島半七、山岡健一、武田忠治、岡田光生、角田隆明、渡辺雅之、
　　　　　　　　　　　　　　　　　本林伸介の各氏重任と岸誓久、山下吉春氏両氏の新任内定の件

第７号議案　代表理事任期満了に伴う再任内定の件
　　　　　　　　（代表理事候補者）山岡健一氏　

②　第８２回通常総会:平成３０年６月１４日（木）開催、議事内容は次の通り報告・承認済み。
第１号議案　平成２９年度事業報告書・公益目的支出計画書並びに計算書書類・財産目録承認の件

第２号議案　理事任期満了に伴う改選の件

第３号議案　監事任期満了に伴う改選の件
③　理事会：平成３１年３月２６日（火）開催、議事内容は次の通り。
　①平成３０年度業務執行状況並びに３１年度収支予算書の事前報告。
　②事務所改造計画概要等

（１１）　許可、認可、承認等に関する事項

①　一般社団法人の法定手続
A　登記事項
全役員改選に伴い、平成３０年６月１４日の総会での理事・監事選任を受け、平成３０年６月２０日登記完了

②　内閣府へ公益目的支出計画実施報告書の電子申請による届け出

（１２）　株式を保有している場合の概要
①出資先：株式会社　綿花会館　②株数：１,４０９株　③保有割合：１０．２％
④所有目的：当会が自ら使用する事務所等を確保するために保有する株式
⑤役員等の関係：当会の代表理事が、出資先会社の代表取締役に、また理事の３名が非常勤取締役に就任

事業別経常収益	予算額	決算額	達成率
出版事業	1,800,000円	1,874,598円	104.1%
裁定事業	30,000円	7,500円	25.0%
その他事業	6,118,000円	5,781,737円	94.5%
法人会計事業	3,067,200円	3,088,292円	100.7%

区　　分	平成２７年度	平成２８年度	平成２９年度	平成３０年度
経　常　収　益	13,119,914円	11,632,557円	11,338,563円	10,752,127円
当期経常増減額	△ 5,987,611円	△ 6,435,412円	△ 6,968,163円	△ 6,831,216円
正味財産期末残高	41,541,962円	35,106,550円	28,138,387円	21,307,171円

種　　類	前　年　度　末	当　年　度　末	増　　減
正　　会　　員	１１社	１１社	－
準　　会　　員	３社	３社	－
賛　助　会　員	８社	８社	－
賛助Ⅱ号会員	５社	５社	－
合　　　計	２７社	２７社	－

役職名	氏　名	任　期	勤務形態	報酬(年）	他法人の役職状況等
会　長	三浦　芳樹	令和２年５月３１日	非常勤	無し	豊田通商　専務執行役員
代表理事	山岡　健一	〃	常　勤	360万円	綿花会館　代表取締役
理　事	豊島　半七	〃	非常勤	無し	豊島　代表取締役社長
〃	武田　忠治	〃	〃	〃	山忠棉業　代表取締役社長
〃	岡田　光生	〃	〃	〃	東洋棉花　代表取締役社長
〃	角田　隆明	〃	〃	〃	スミテックス･インターナショナル管理本部長補佐
〃	本林　伸介	〃	〃	〃	三菱商事　S.P.A.衣料部 S.P.A.生産チームマネジャー
〃	岸　誓久	〃	〃	〃	双日　繊維事業部長
〃	山下　吉春	〃	〃	〃	山一　取締役繊維事業部長
〃	渡辺　雅之	〃	〃	〃	伊藤忠　繊維原料課長

役職名	氏　名	任　期	勤務形態	報酬(年)	他法人の役職等
監　事	杉野　友紀	令和２年５月３１日	非常勤	無し	杉野商店　代表取締役社長
〃	福枡　浩	〃	〃	〃	日本綿業振興会　常務理事

平成３０年度正味財産増減計算書		財産目録（平成３１年３月３１日現在）
貸借対照表（平成３１年３月３１日現在）
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