平成28年度事業報告書(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)


1. 当法人の現況に関する事項

 
(1) 事業の経過及びその成果  
事業別経常収益  予算額 決算額  達成率 
 出版事業     2,074,000円     2,042,279円       98.5%
 裁定事業       40,000円       36,400円       91.0%
 その他事業     6,615,000円     6,343,039円      95.9% 
 法人会計事業     3,203,000円     3,210,839円      100.2% 


(2) 資金調達等の状況

   @資金調達並びに設備投資          特になし 


(3) 直前3事業年度の財産及び損益の状況 
区分  平成25年度  平成26年度 平成27年度 平成28年度
経 常 収 益    13,141,135円    13,122,500円    13,119,914円   11,632,557円 
当期経常増減額   △ 6,196,772円  △ 6,063,477円   △ 5,987,611円   △ 6,435,412円 
正味財産期末残高    53,593,050円    47,529,573円    41,541,962円   35,106,550円


(4) 主な事業内容 
事  業 主要な事業の内容
出版事業  内外綿花事情および需給状況の調査、資料整備、見通し等を行い、綿花需給に関する統計/資料を定期的に作成し、会員/紡績等の関係先に配付。
尚 発行資料は次のとおり。(継続事業(1)の対象事業)
A 綿花週報(49回)
B 2016年版英文綿花統計年鑑
C 輸入・消費・在庫統計/通関(数量/金額)統計/船社別綿花輸入統計

裁定事業  @綿花の品質裁定および抗告(主として継続事業(2)の対象事業)
A 裁  定
当期における裁定申請は前期に引き続き皆無。これは綿花輸入量の減少傾向が続く中で、荷捌綿花取扱いの減少、その一方でdoor to door 取扱いの増加、HVI(高速格付機器)検品の普及などによるものであるが、併せてわが国の綿花輸入で品質の安定度から米綿、オーストラリア綿、ギリシャ綿およびブラジル綿の4綿種の寡占化が進んでいることも影響している。
当期の決算額(格付けのみ)は27,600円と、前期比11,400円増。

B 抗  告
近年の裁定申請の皆無により、予算は計上見送り。

A 綿花の格付および機械検査
A 格  付
国内綿花輸入業者から、綿花の品質について格付申請3件(108俵)を受理、スタンダード・ボックスと照合のうえ、格付証明書を発行した。検査見本はメキシコ綿およびオーストラリア綿。

B 機械検査
マイクロネア検査は、国内綿花輸入業者より1件(88俵)の申請と、予想外に低調。そのすべてを測定、検査報告書を発行した。 結局、決算額は8,800円と、前期比11,200円減。検査見本はメキシコ綿。

B 綿花品質に関する調査研究
A 米国農務省作製の米綿スタンダード・ボックスを入手、品質につき検討した。
B 海外関係機関と綿花の値鞘に関する資料交換を行った。
C わが国における綿花の値鞘表を毎月2回発行、これを国内綿花業者および海外関係機関に配布した。

 
その他事業  <海 外>
@ ICA(国際綿花協会)
2016年10月20〜21の2日間、リバプール(英国)において年次総会および晩餐会を開催。出席者総数は世界各国から約650名に上った。
今回は、旧リバプール綿花協会から数えて175周年の記念総会に当たり、英国王室からアン女王が列席、祝辞を述べられた。
業界代表として、島崎隆司(豊島梶E 顧問)、山岡健一(日本綿花協会・代表理事)の両氏が出席した。
期間中に開催されたICA役員会には島崎隆司氏が出席し、わが国の最新の綿花事情について説明を行った。
なお、2017年のICA総会は、シンガポール(2017年10月12〜13日)で開催される予定。
一方、ICA総会に合わせてCICCA(綿花協会間国際協力委員会)会議を開催。
12ヵ国の協会代表および関係国際機関3団体で、出席者総数は26名に上った。
主要議題は(a)2015年10月のサンフランシスコ総会での報告書の承認、(b)収支決算/予算案、(c)CICCAデフォルト・リストの年次レビュー、(d)バングラデシュ、ベトナム等、成長市場の綿花協会からの新規加入申請とその対応、および(e)次期CICCA会長および副会長選出。
(b)については、2015/16年度決算と2016/17年度の予算案を承認。年会費は前年どおり1協会当たり£500。
なお、同期間に開催された代表者会議には、山岡 健一氏が出席し、わが国の最新の綿花事情について説明を行うとともに、債務不履行の多くが未だ遵守されておらず、綿業界で依然として大きな問題となっている。本件は生産、消費国双方の共存共栄に関わる問題であり、関係者一同が「契約の神聖」を順守する必要がある旨指摘した。

A ICAC(国際綿花諮問委員会)
2016年10月30日から11月4日までの6日間、「綿花バリューチェーンにおける持続性の強化」をメインテーマに、イスラマバード(パキスタン)において第75回年次総会を開催。
14ヵ国の政府代表、関係国際機関4団体およびその他オブザーバー4ヵ国で、出席者総数は378名に上った。
主要議題は(1)綿花成長の維持:気候変動への取り組み、(2)綿花の水使用の環境への影響の低減、(3)摘取りと荷捌きにおけるコンタミネーション(異物混入)の軽減、(4)綿花バリューチェーンにおける効率の強化、および(5)綿花の課題:繊維間競合に直面。
最終日に、ICAC事務局より、ICAC加盟国は、EU(欧州連合)の加盟権継承が双方で合意され、現在、欧州委員会と欧州議会で承認手続きが進められていること、更に、バングラデシュが既に加盟申請を提出しており、同国は最終的な国内手続きを行っている等、説明があった。
なお、外務省の危険情報によれば、イスラマバードとその近郊はレベル2:「不要不急の渡航中止」地域に分類されており、わが業界としては種々検討した結果、日本綿花協会、日本紡績協会ともに今次総会参加を見合わせた。

B 海外行事参加
A. China Cotton Association(中国綿花協会)/CNCE(中国綿花交易市場)共催
による「2016中国綿花サミット」を2016年5月12〜13の2日間、湖北省武漢で開催。当協会から島崎隆司氏(豊島梶E 顧問)が出席。
一方、「中国綿花サミット」に合わせて、CICCA(綿花協会間国際協力委員会)の諮問グループ会議が5月13日、当地で開催された。今回の出席者はICA(国際綿花協会)およびACSA(米国綿花輸出業者協会)代表を含め、6名。
なお、わが国よりは、島崎隆司氏(豊島梶E 顧問)が当会を代表して出席。

B. ACSA(オーストラリア綿花輸出業者協会)主催「Australian Cotton Conference」が2016年8月2〜4日の3日間、ゴールドコーストで開催され、当会より渡辺 雄次(豊島)、林 照幸(山忠棉業)の両氏が参加。

C. CCI(国際綿花評議会)主催による「Cotton Summit-2016」が2016年11月5〜8の4日間、ロサンゼルス郊外のテラネアで開催され、参加者総数は26ヵ国から450名に上った。
今次サミットは、日程が米大統領選挙と重なったこともあり、話題もタイムリーで、内容面でも充実していた。
わが国からの出席者は、綿花商社、紡績、エージエントなど計17名、在外日系企業6名。
なお、当協会からは豊島会長、山岡代表理事が出席した。
   
D. CAI(インド綿花協会) 主催による「コットン・インド2016/17イベント」を2016年12月5〜8の4日間、インドの首都、ムンバイで開催。
CAIの招待により、当協会から山岡代表理事が出席し、今回の全体テーマの一つ「Cotton’s History」の一環で、「History of Cooperation between India and Japan」の題目でプレゼンテーションを行った。
内容は、綿花関連を中心とした日印の交流史に焦点を当てたもの。

C 海外関係者との諸会合
○ 9月7日、米CALCOT社のJarral Neeper 社長がトルコほか、東南アジア諸国歴訪の一環として初めて来阪したのを機に、当協会を表敬訪問。米綿生産、わが国の綿花輸入/消費等の諸問題につき意見の交換を行った。

<国 内>
D 各種委員会委員(期末現在)
○ 受渡委員会
   中尾 忠(東棉)   山本純介(伊藤忠)  林 照幸(山忠)
   平林和成(豊島)

○ チャージ委員会
   中尾 忠(東棉)   山本純介(伊藤忠)  平林和成(豊島)

○ コントラクト委員会
   山本純介(伊藤忠)  高倉一美(東棉)   渡辺雄次(豊島)

○ 長繊維綿委員会
   山本純介(伊藤忠)  高倉一美(東棉)   武田忠治(山忠)
   渡辺雄次(豊島)

○ 非紡績用原綿部会
   杉野友紀(杉野)   山下 吉春(山一)

E 委員会関係活動
A 受渡委員会
a 台風、豪雨及び地震による綿花被害の有無の件
2016年8月30日:名古屋港の幹事倉庫より、台風10号接近による倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。
2016年9月8日:名古屋港の幹事倉庫より、台風13号接近による倉庫保管綿花等への影響につき「異常なし」との連絡あり。

b 港湾防災対策の件
港湾・倉庫における綿花取扱上の安全対策、特に台風シーズン中の災害防止対策には万全の注意を払うよう日本綿花荷捌協議会に申し入れた。

B チャージ委員会
  輸入諸掛かりの件
窓口商社が2016年11月1日以降入港船に適用する Sliding Charge について、日本紡績協会会員紡績と合意。関係商社に通知。

C その他委員会
コントラクト/長繊維綿/非紡績原綿部会の各委員会は本年度開催なし。

D 計量自治管理委員会
a 従来、 計量法に基づき、綿花ハカリ管理状況に関する「適正計量管理事業所報告書」を愛知県、大阪府および兵庫県の各計量検査所(知事宛)に提出していたが、近年の荷捌綿花の激減により、各港指定倉庫と協議の上、各計量検査所に事業廃止届を提出、受理された。

F 倉庫/港湾関係
A 綿花倉庫の新規指定、解除はともになし。

B 各港の綿花指定倉庫から荷捌綿花・CY通関綿花の輸入実績明細を収集し、わが国綿花輸入統計の基礎資料とした。

G その他
A 経済産業省繊維課、報道/調査機関、ATO(米農務省・農産物貿易大阪事務所)など内外諸団体および個人からの「綿花事情、輸入状況など世界綿花情勢、わが国の綿花輸入動向と見通しに関する照会」に回答。

B ICACおよびCotlook Ltd.にわが国の月別綿花輸入動向を報告。

C 当会「インターネット・ホームページ」に綿花輸入統計を掲載。

D CATGO(Egypt) 誌等への寄稿。

 



(5) 従たる事務所の状況           特になし



(6) 主要な借入先及び借入額         特になし



(7) 重要な契約に関する事項         特になし


(8) 会員に関する事項
種   類 前 年 度 末 当 年 度 末 増   減
正  会  員      11社      11社
準  会  員       3社       3社
賛 助 会 員       8社       8社
賛助U号会員       6社       6社
合   計      28社      28社


 
(9) 職員に関する事項
   事務局長1名、事務職2名、合計3名



(10) 役員会等に関する事項

@ 理事会:平成28年5月16日(月)開催、議事内容は次の通り承認済み。
第1号議案 日本綿花協会・第80回通常総会開催の件
第80回 通常総会開催を「5月31日(火)午前10時半、綿花会館・大会議室」とする。
第2号議案から第4号議案 第80回通常総会に諮るべき書類の件
第5号議案から6号議案 豊島会長、高橋顧問任期満了に伴う再任の件
第7号議案 役員任期満了に伴う後任内定の件
        (理事候補者)豊島半七、山岡健一、小倉弘二、島田誠次郎、武田忠治、
                 岡田光生、角田隆明、久保田武一、本林伸介の9氏。
第8号議案 代表理事任期満了に伴う再任内定の件
        (代表理事候補者)山岡健一氏 

A 第80回通常総会:平成28年5月31日(火)開催、議事内容は次の通り報告・承認済み。
第1号議案 平成28年度事業報告書・公益目的支出計画書並びに計算書書類・財産目録承認の件
第2号議案 理事任期満了に伴う改選の件
第3号議案 監事任期満了に伴う改選の件

B 理事会:平成28年5月31日(火)開催、議事内容は次の通り。
A 代表理事山岡健一氏選定承認の件

C 理事会:平成29年3月17日(金)開催、議事内容は次の通り。
A 平成29年2月までの業務執行並びに業界団体参加報告及び今後の予定の件
B 平成29年度収支予算書の事前報告。



(11) 許可、認可、承認等に関する事項

@ 一般社団法人の法定手続
A 登記事項
全役員改選に伴い、平成28年5月31日の総会での理事・監事選任を受け、平成28年6月9日登記完了

A 内閣府へ公益目的支出計画実施報告書の電子申請による届け出



(12) 株式を保有している場合の概要

@出資先:株式会社 綿花会館 A株数:1,409株 B保有割合:10.2%
C所有目的:当会が自ら使用する事務所等を確保するために保有する株式
D役員等の関係:当会の代表理事が、出資先会社の代表取締役に、また理事の3名が非常勤取締役に就任
 


(13) 対処すべき課題           特になし



2.役員等に関する事項

 
(1) 理事  (平成29年3月31日現在) 
役職名 氏 名 任 期 勤務形態 報酬(年) 他法人の役職状況等
会長兼理事  豊島 半七 平成30年5月31日 非常勤 無し 豊島 代表取締役社長
代表理事  山岡 健一 常 勤 360万円 綿花会館 代表取締役
理 事  武田 忠治 非常勤  無し 山忠棉業 代表取締役社長 
 〃  島田 誠次郎  山一 代表取締役会長 
 〃  岡田 光生  東洋棉花 代表取締役社長
 〃  角田 隆明   〃  〃 スミテックス・インター執行役員 
 〃  本林 伸介  三菱商事 S.P.A.衣料部
  S.P.A.チームマネージャー 
 〃  小倉 弘二 双日 繊維事業部長 
 〃  久保田 武一  〃 伊藤忠 繊維原料課長 
 顧 問  橋 克紀  豊田通商 顧問
    (注) 以上通常総会で選任を承認

(2) 監事
役職名 氏 名 任 期 勤務形態 報酬(年) 他法人の役職状況等
監 事  杉野 友紀  平成30年5月31日 非常勤 無し 杉野商店 代表取締役社長 
 福枡  浩  日本綿業振興会 常務理事
 


3.その他

(1) 平成29年繊維団体新年名刺交換会
    平成29年1月4日(水)、帝国ホテル大阪において開催。
    主当番団体:日本羊毛産業協会、副当番団体:日本繊維輸出組合

(2) 事業報告附属明細書は、報告の内容を補足する重要な事項がないため、
    作成していません。
 



 平成28年度正味財産増減計算書    財産目録(平成29年3月31日現在)
 貸借対照表(平成29年3月31日現在)  
 平成28年度決算報告ページ